おばさんの恋

40代になっても恋に憧れるおばさんの妄想

便り

そのひとは、わたしのことをとても心配して

毎日お便りをくれた

葉書にナンバーが振られていて

その数は100を越えた

でも、わたしは当時付き合っていた人と別れられず

そのひとの優しさに甘えていた

愛されていたかった

足りない何かを埋めるために

どうしようもなく足りなかった

何もかもが

29歳のわたしは

崖っぷちにいる気分だった


もう思い出さないでいよう

辛かった時のことなんか

もしやり直せるとしても

同じような人生を歩んでいるのだろうから


人に迷惑をかけないで

静かに生きていたい

高望みせず

ひとを羨まず

わがままを言わず

与えられた場所に満足して