あのひとに会う夢を見た
わたしが予約したお店は
安っぽくて賑やかしく
あのひとは別の誰かを連れてきたし
わたしも女性の同僚と一緒だった
二人きりかと思ったのに
でも、それなりに楽しく会食は進む
あのひとが中座して戻らないので
様子を見に行くと
夢の中のあのひとはタバコを吸っていて
ここを出てどこかへ行こうと言った
だけど、結局どこへも行かなかった
東口で待つと言ったあのひとに
わたしは会いに行けなかった
夢の中のあのひとには
わたしのことなど
どうでもいいようだった
現実世界でもきっと同じ
わたしの利用価値なんて何もないですよね
夢から覚めたわたしは
何度も夢をトレースして
軽く浅く傷つくのだった
あのひとに会ったら
自分が女だったことを思い出せるかな
好きな人を待つトキメキがどんなだったか
思い出せるのかな
会いたいのに
何を話せばいいかわからない