おばさんの恋

40代になっても恋に憧れるおばさんの妄想

2021-01-01から1年間の記事一覧

ほんの小さなささくれ

どうでもいいことで 夫と少し険悪なムードになった 4年に1回くらい 夫とわたしはささやかなケンカをする 夫の言い方にカチンときたのだった 中身は思い出せないくらい たわいもないこと だけど、いつも夫はそういう言い方をする 普通に答えればいいのに なぜ…

似合わない服

何を思ったか 彼が洋服をプレゼントしてくれると言う ショッピングデートで素敵な街へ でもわたしね 欲しいものなんてないの 靴とかコートとか言ったものの 彼に散財させたくないし 気に入ったものも見つからない 時間ばかり過ぎて焦る ごめんなさい、女の買…

不器用で優しい恋

彼の不器用なやさしさに わたしはいつの間にか溺れている となりに座って 何も話さなくていいから ただ一緒にいたいだけ いつの間にか夕闇が迫る 帰りたくないのに このまま夜が来なければいいのに わたしが無理やり食べさせたアジアン料理を 美味しかったで…

もうあなたには興味がない

出会い頭にボディブロウを食らって 激しい目眩を覚えたのだった。 何?なぜ今そんなことを宣言するの? 彼はもう一度はっきりと言った もう、あなたには興味がないんです キョウミガナイ キョウミガナイ 仕方のないことだ 最初からわたしに興味なんてなかっ…

ストレスと恋

休みの日は何をするわけでもないのに あっという間に終わる。 主婦も案外忙しいものだ。 あれもしたい、これもしたい そう思いながら 夫の好物を作るために買い物に出たりする。 わたしは夫のことが大好きだ。 好きになりすぎるとしんどいから 他の人に恋を…

老いらくの恋

残業帰りの地下道で 手を握って立ち止まる高齢カップル 男の人の手には結婚指輪 ちょっと迷惑そうな高齢女性を 口説いている雰囲気 でもなんだか2人とも キラキラしているように見えた いくつになっても恋をしなさい 他人を傷つけないような 優しい恋をしな…

どこか遠くへ

どんなに望んでも 彼の心は離れていくのだった 少しずつ わたしの存在感が薄くなって 心のスペースを何で埋めればいいのか わたしには分からなくなりそうだ。 どこか遠くへ行きたい わたしを知る人がいない場所へ いつもそう願っていた けれど、地球の裏側で…

忘れたいこと

わたしは記憶力がいいほうである 割と細かいことをよく覚えているし 記憶を紐づけることも得意だ 勉強はできないのに 人に関係することは 忘れたくても忘れられないのだ 忘れたいことなんて 腐るほどあるよね もう忘れさせてよ 悲しかったことや悔しかったこ…

色彩のない恋

好きな人を前にしても イロコイという言葉がまるで当てはまらず 健全かつ鈍重なデートを重ねて 彼との恋はそのまま終わった 発展しなくてよかったんだ 無駄な努力も余計な色気もいらない お友達になりたかったの? いいえ、そうではない わたしだけを見て わ…

迷走する恋

仕事を辞めてしまいました もう先生にも あのひとにも会えない 黙っているのは流石に大人気ないから さようならと言った 彼はひどく驚いた顔をして そうですか、残念ですと 大人な挨拶を交わす わたしと一度だけ、一度だけでいいですから といえないままに …

フェイクな恋

いろいろ考えすぎる癖があって 何かが気になるとそこから抜け出せない そんな時わたしは ありもしないsexとか 妄想のキスで思考を散らすのだった 彼がわたしを抱くシチュエーションは どんなに妄想しても浮んでこない もう枯れたのかな してもしなくても わ…

熱くならない恋

ぬるま湯のような恋 いつまでたっても芯まで温まることはなく 何の効能もないのだけど 出るに出られないまま留まっている この恋は40℃未満 お湯はどんどん冷めていく もうすぐ風邪をひいてしまうね 時々カンフル剤を打って わたしはまた湯船に戻る 熱くなら…