おばさんの恋

40代になっても恋に憧れるおばさんの妄想

2019-08-01から1ヶ月間の記事一覧

凡庸な恋

電車の広告で見かけたあなたの人生に題名をつけるとしたらわたしの人生のタイトルは凡庸だろう恋愛も勉強も仕事も全て凡庸で人並できる限り目立たないように斜め下を見て歩くそんな毎日それでもいいのにわたしは十分に幸せなのにこんなおばさんに返事をして…

後戻りできる恋

刹那的な恋ばかりしてきたダメ人間のわたしはいつも後戻りできない瀬戸際までダメな恋を引きずっていたおばさんになった今は高望みしないし適度に心を満たして我慢することを覚えた恋に後戻りなんてあるだろうか彼と喫茶店でコーヒーを飲みながら恋について…

主婦とカフェ

たまにはお洒落なカフェで一人お茶でも飲みながらぼんやり外を眺めたりお気に入りの本を読んだりしてみたい仕事帰りにふらっとデパートのバーゲンを覗くことすら罪悪感を感じてしまう普通の主婦は、急いで帰って食事の支度子どものお迎えとかお風呂の掃除と…

フィクション

久しぶりに夫と二人で過ごした庭に植える木を探したり植木鉢を選んだり絵に描いたように幸せな夫婦間違いなくわたしは幸福だ優しい夫と可愛い子どもそれに新しい家もある今が信じられないんですわたしは幸せになってよかったの?いつか酷いしっぺ返しを食ら…

曖昧な恋

彼はわたしのたわいもない愚痴に付き合って夜の街でお茶などしていたあなたはいつも気を使いすぎなんですよそして仕事を抱えすぎると、彼は至極もっともなことを言う仕事をしすぎなければ心配してもらえないでしょう?彼は笑って答えない好きだから気になる…

安物の傘は

日傘を開いたら擦り切れが目立ったわたしったら安物ばかり買うからすぐにダメになるね奮発していい傘を買ったのに大切にしまっているうちになんだか黄ばんでしまったもったいなくて慌てて使うわたしらしいね、貧乏性だからね傘を買ったほんの少し贅沢をした…

都合のいい恋

ぽっかりと空いた時間を埋めるために彼を食事に誘っただってヒマなんだもの体良く断られてもめげないおばさん都合のいい時に呼び出して基本ルールは崩さない誰かさんと同じだ仕返しをしているのかな人生の一番いい時を無駄に費やしてしまった都合のいい恋だ…

フラッシュバック

なぜ泣きたくなるのだろう悲しいことを思い出したから?大丈夫って言って辛くなる理由を彼はしらないけれどあの果てしなく長い夏に失くしたものの大きさに打ちのめされて台所の床に寝転がったままわたしはいつまでも泣いた大丈夫わたしはもう大丈夫心から笑…

優しいひと

泣き虫なわたしはすぐにメソメソと涙を流して翌日はスッキリとしているのだった付き合っていた男に振られた時、わたしを迎えに来て慰めてくれた優しいひとはずっとそばにいてくれた雨の日も風の日もわたしは優しいひとの待つ家に帰るこれ以上の幸せなんて世…

控えめな恋

主張しない恋がいいささやかに日々の渇きを癒すような静かな恋がいい囁くように好きと言って伏し目がちにレモネードを飲むような控えめな恋がいい彼の口から彼女の名前が出るとわたしは少しざわっとする彼女は特別なんだとても素敵な人だから彼が幸せならそ…