おばさんの恋

40代になっても恋に憧れるおばさんの妄想

2019-01-01から1年間の記事一覧

クリスマスと誕生日

彼が誕生日を祝ってくれた お肉食べましょう、と意気込んだけど イマイチの体調であまり入らず 酔っぱらうくらいに飲んでみたかったのに 今年の恋を叶えてくれてありがとう あなたのすべての不幸を 笑って流せたらいいのに 好きだから一緒にいたいの、と 本…

浮気の顛末

もし浮気がバレて離婚することになったら 今朝ぬか床をかき混ぜながら ふと考えた 現実に浮気してませんけど・・・ 夫も浮気はしていないと思う 夫に興味がないわけではない 疑う必要がないというか 超越した感じなのかな どこの家庭でも、そんな風に言うの…

誕生日

お誕生日にほしいものはありますか 彼が尋ねる 考えておきます。考えるだけで楽しいです。 わたしが答える 形あるものは何もいらないから わたしとデートしてください そんなセリフ、言えるはずもない 考えるだけで楽しいんです 妄想するだけで幸せなんです …

予言

もしあなたと一緒になったら 寂しくてわたしはすぐに浮気してしまうだろうと 本人の前で予言 2人でさんざん笑った夜 あなたの心を捕まえておくことなんて 誰にもできないとわたしは知っている だからあなたは 心のままに旅をして お酒を飲んで 歌って恋をし…

わたしのための時間

むかしからわたしは 自分のためにお金や時間を使うことに なんとなく後ろめたさを感じていた 主婦になってますますその傾向が強くなった 貧乏性だから 自分のために支払う対価に つまり、 自分の欲求に対してそれだけの対価を払う という行為に自信がないの…

再検査

この値はだいぶ良くないです その先生は健康診断の結果を見ながら わたしを怯えさせないような口調で言った 来週火曜日には精密検査の結果がでます あと、エコーの検査をしましょう 時間に余裕を持って来てくださいね 二人に1人はガンになるんですよ 検査し…

本当のさようなら

思い出さなくてもいいことだけど 時々思う わたしはあの人を許したのだろうかと すっかり白くなった髪 あの頃と同じ笑顔 もう恨んではいない ただ忘れたいだけだ いい思い出になんてなるはずもない 許したのか 許していないのか わたしにはそんな権限もない…

自由な恋

2年ぶりに会った彼は 2年前と変わらない笑顔とステキな声 たった3日間の仕事だけど 2年間の空白を埋めてもまだ余る 濃密な時間が過ぎた 彼は自由だ 地上のどこかで誰かと一緒に歌い お酒を飲んで恋をする そんな彼のことが大好きな人はたくさんいて わたしも…

プレゼント

お誕生日だった彼への ささやかなプレゼント いつもそばにいて わたしが守ってあげる あなたを苦しめる邪悪な気配から 苦しいときや悲しいとき 無理をしなくていいように 何気なく近くにいてあげる

秋の花火

夏が終わったのに まだ少しだけ残っていた花火 夫と子どもと私の3人で ささやかに花火の夜 一瞬だけきれいで ぽとりと落ちるとかなしい 地味な花火が好きだ 終わった後の切ない感じや 夏ではない涼しさが なんとも物悲しくて 終わった恋のようだ

寂しい恋

出張の帰りはいつも彼にメールしてどうでもいいことを報告する寂しいわたしは彼の優しい言葉にいつもじんわりと癒されるのだった本当は無理をしているこんな女に振り回されて彼はきっと無理をしている大丈夫ですよと返しながら明日はありますかこの寂しい恋…

甘い恋

カフェでお茶を飲みながらどうでもいい話をウダウダと続けたわたしたち年甲斐もなくこんな時間にパンケーキなんて食べて帰りたくない高校生みたいだ甘い恋代償のいらない無害な恋生クリームが溶けて恋する二人の時間がとまる冷めたコーヒーカップを指でなぞ…

凡庸な恋

電車の広告で見かけたあなたの人生に題名をつけるとしたらわたしの人生のタイトルは凡庸だろう恋愛も勉強も仕事も全て凡庸で人並できる限り目立たないように斜め下を見て歩くそんな毎日それでもいいのにわたしは十分に幸せなのにこんなおばさんに返事をして…

後戻りできる恋

刹那的な恋ばかりしてきたダメ人間のわたしはいつも後戻りできない瀬戸際までダメな恋を引きずっていたおばさんになった今は高望みしないし適度に心を満たして我慢することを覚えた恋に後戻りなんてあるだろうか彼と喫茶店でコーヒーを飲みながら恋について…

主婦とカフェ

たまにはお洒落なカフェで一人お茶でも飲みながらぼんやり外を眺めたりお気に入りの本を読んだりしてみたい仕事帰りにふらっとデパートのバーゲンを覗くことすら罪悪感を感じてしまう普通の主婦は、急いで帰って食事の支度子どものお迎えとかお風呂の掃除と…

フィクション

久しぶりに夫と二人で過ごした庭に植える木を探したり植木鉢を選んだり絵に描いたように幸せな夫婦間違いなくわたしは幸福だ優しい夫と可愛い子どもそれに新しい家もある今が信じられないんですわたしは幸せになってよかったの?いつか酷いしっぺ返しを食ら…

曖昧な恋

彼はわたしのたわいもない愚痴に付き合って夜の街でお茶などしていたあなたはいつも気を使いすぎなんですよそして仕事を抱えすぎると、彼は至極もっともなことを言う仕事をしすぎなければ心配してもらえないでしょう?彼は笑って答えない好きだから気になる…

安物の傘は

日傘を開いたら擦り切れが目立ったわたしったら安物ばかり買うからすぐにダメになるね奮発していい傘を買ったのに大切にしまっているうちになんだか黄ばんでしまったもったいなくて慌てて使うわたしらしいね、貧乏性だからね傘を買ったほんの少し贅沢をした…

都合のいい恋

ぽっかりと空いた時間を埋めるために彼を食事に誘っただってヒマなんだもの体良く断られてもめげないおばさん都合のいい時に呼び出して基本ルールは崩さない誰かさんと同じだ仕返しをしているのかな人生の一番いい時を無駄に費やしてしまった都合のいい恋だ…

フラッシュバック

なぜ泣きたくなるのだろう悲しいことを思い出したから?大丈夫って言って辛くなる理由を彼はしらないけれどあの果てしなく長い夏に失くしたものの大きさに打ちのめされて台所の床に寝転がったままわたしはいつまでも泣いた大丈夫わたしはもう大丈夫心から笑…

優しいひと

泣き虫なわたしはすぐにメソメソと涙を流して翌日はスッキリとしているのだった付き合っていた男に振られた時、わたしを迎えに来て慰めてくれた優しいひとはずっとそばにいてくれた雨の日も風の日もわたしは優しいひとの待つ家に帰るこれ以上の幸せなんて世…

控えめな恋

主張しない恋がいいささやかに日々の渇きを癒すような静かな恋がいい囁くように好きと言って伏し目がちにレモネードを飲むような控えめな恋がいい彼の口から彼女の名前が出るとわたしは少しざわっとする彼女は特別なんだとても素敵な人だから彼が幸せならそ…

空気と水のように

自然に関わっていながらもそこにあるのが当然そんな関係でいるのなら誰にも見えないけれどわたしたちは確かにつながっているデジタルではなく無数のシナプスで彼は正確にわたしの声を受け止める言葉がなくてもわたしたちはまた会えるだから、今は少しだけお…

なんでもないのに

疲れているんだななんでもないのに涙が出そうになるいつでも救ってあげますなんて彼に言わせてしまったけれどそうじゃないんだよホルモンバランスのせい悲しくなるのはきっとなんでもないことだよく寝て目覚めたら悩んでいたことさえ忘れてしまえる

あの頃よりも

過去のどんなときよりも今が幸せだと信じているもう1秒たりとも戻りたくないんだ今より先のことだけを見ていたい雨の日曜はいろんなことを思い出させるみじめなわたしのあの頃いつも見栄を張ってかわいそうな自分を隠していたわたしだけを見て欲しかったのは…

真夜中の恋

仕事が終わらなくてうがーっとメッセージを送る気晴らしメールに付き合ってくれる彼は本当に貴重な存在だ恋でなくていいから真夜中のメッセージを許して精神的依存誰かに心配されていたいだけだ夫の既読スルーにはもう慣れました心配されないことにも夫も同…

煩わしいだけの恋

一人で全てを抱えているのじゃないかとわたしはいつも心配になる彼は話をそらすもうすぐ夏休みでしょう?どこにも行かないんですか、と。どんなに心配したって何かしてあげられるわけもなく役に立てることもない余計なお世話なだけうるさいおばさん彼はハエ…

忘却

会議で忙殺されてやっと落ち着いた夕方雨は降らなかったバスに間に合うといいなくたびれ果てて家路につくもう何も思い出したくないそんな日に限ってふるい知り合いと出会ったり昔のことが頭の中をグルグル巡ったりする今朝、ゴミを出し忘れてしまった夫は怒…

モテたい病

おバカさんなわたしは多分モテたい病なんだと気付きました中学生の頃からずっとモテたいと思っていた気がするそれほど美人でもないし可愛くもなかったわたしは誰かに好かれることにずっと憧れていた気がつけば、いともたやすく人の心を手に入れていたそのバ…

赤い車

赤い車はわたしの人生に寄り添っていた辛いときも楽しいときも週末には夫が運転して家族でスーパーへ買い物に行く外食したり、ホームセンターへ行ったり時には夫の実家を訪ねたり子どものランドセルを買いに行ったときも家族の幸せに寄り添ってくれた赤い車…