おばさんの恋

40代になっても恋に憧れるおばさんの妄想

2017-01-01から1年間の記事一覧

真昼なのに昏い部屋

久しぶりに江國香織を読んだ世界の外へ出てしまったでも、世界の外を知らないひとには到底理解できないことだろうジョーンズさんの言葉罪悪感は自意識にしか過ぎない蓋し名言わたしはもう世界の外に出ることはない世界の外に出たところでもう何も得るものが…

塞ぐ

返信は不用ですと書いたメールに本当に返信がこないとちょっと凹むメールを気にしてばかりの自分にがっかりするああ、残念だなわたし、残念なおばさんだな。着古したコートのポケットに穴が空いているいったい何年着たのかな安物だと思いながらもっといいの…

バランス

そろそろ更年期に差し掛かっているのか女性ホルモンが足りない感じ今日はあわや終電残業でグタグタに疲れたホルモン以前の問題だ何事にもバランス感覚が必要自分の気持ちがコントロールできないで後悔ばかりしているアホだな、わたしたぶん、ホルモンバラン…

紅葉と小鳥

あのひとが送ってくれた紅葉の写真優しさはただの社交辞令あとひとからの連絡はもうないだろうあの小鳥はいい仕事をしているかなあのひとの手の中でグリーンの羽を鋭く伸ばしてわたしのことりはデスクの上であのひとのことばかり思わせるあのひとの微笑みや…

ルージュ

使っている口紅が終わったので新しいのを買った近所のドラッグストアで安物の口紅赤いルージュ昔は似合った気がするけど今は地味な色しか選べないもうおばさんだもの女を美しくするのは化粧でも高い服でもない知っているはずなのに安物で薄っぺらな自分が恥…

恋のない毎日

恋のない毎日はメイプルシロップのないホットビスケット物足りないだけど、なくても生きていける顔に吹き出物が出るから身体に悪いから甘いものを極力取らないそんな生活に似ているのかもどうして会いたいのかと自分に問えばやっぱり好きだからあのひとの笑…

あれから

あのひとに会ってから早くも1週間が過ぎようとしている恋だったのかな恋だったのだなあのひとに好きだと伝えたらそれっきりになるんだろう困るよね、そんなこと言われても当たり障りなく駆け引きを続けるのが大人の付き合い方なんでしょうね好きなひとがいる…

読書

西川美和著『永い言い訳』を読んだ。映画は観てないけど、気になってた作品。帰りの電車の中で読み始めたら止まらなくなってうちで子どもを寝かせてから再開。結局、2時過ぎに読み終わった。妻が夫に残した言葉「もう愛していない。ひとかけらも」すごい破壊…

妄想手紙2

○○先生先日はお会いできて本当に嬉しかったです。会ってくださってありがとうございましたずっと会いたかった願いが叶ってしまうと次の機会なんてもうないのかなとふと寂しくもなったりします先生はやっぱり胸が痛くなるほど素敵な方でしたこの人生のステー…

恋の終わり

妄想の恋がまたひとつ終わった気がする。あのひとに会った会議を抜け出して来てくれた嬉しくて、嬉しくて1人で舞い上がっていたなのにわたしったら自分のことばかりベラベラ喋ってばかみたい思い出したくない過去や繋がりを勝手に美化して話したりしてばかみ…

似合わない服

当たり前だけど40代も半ばになると今まで着ていた服が似合わなくなってくる体型だけの問題ではなく痛々しいおばさんになってしまう綺麗に品良く着こなせる服なんて持ってないよね、とほほクローゼットを眺めながらため息が出た頑張れ、貧乏なおばさんユニク…

寂しさを感じるとき

せっかくの祝日やのに出勤でごめんね雨やけど、どこか出かけよるん?愛してるよ夫へのメールの最後にはいつも愛してるよと添えるのだけど夫は無反応(笑)今から帰りますお腹ぺこぺこだよ愛してるよここ数年返信が来たためしはない一方通行の帰るメールと愛…

幸せな家庭

仕事が終わったらいそいそと家に帰る今夜は頂き物の銀杏があるから夫と子どもの大好きな茶碗蒸しを作る約束をした二人においしいと言ってもらえるのがわたしの喜びただいま、と家に着いたら全力で食事の準備目標は30分でいただきますなかなか厳しいけどね食…

おばさんのお手入れ

相変わらず暇になると妄想の恋に走っているおばさんです。先週、ひどい風邪をひいてお腹の調子も悪かったのでしばらくプチ絶食。風邪が治ったらだいぶお腹がペタンコでいい感じ。そういえば痩せた気がするなぁ。風邪のせいで、お肌の調子はイマイチでしたが…

せめて夢では

あのひとの研究室へ行く夢を見た現実には行ったこともない場所あのひとは思っていたよりも冷たくてあっさりと切り上げられてしまったわたしはがっかりしながらもそんなもんだよと自分に言い聞かせていた雨の中をあてもなくトボトボと歩く夢夢の中だけでも恋…

それでもやっぱり恋がしたい

このところヨガにはまっている他にすることがない、というかヨガしか逃げ場がないというか夫以外のひとのことをバーチャル恋愛ターゲットにするのはもうやめにしたい夫のことが大好きなんだし夫とラブラブでいられたら他所で恋する必要もないのに最近、あま…

優しいひと

今日という日は大学時代に仲の良かったT君の誕生日だ。もう何年も思い出すこともなかったけど元気でいてほしい。恋の悩みを聞いた。彼が好きになった人は男の人だった側にいたいだけなんだと優しい彼はいつも傷ついていた何もしてあげられず卒業後は音信も途…

おばさんから逃げたいとき

今週のお題は「私がブログを書きたくなるとき」だそうで。常に頭の中には文章があってそれを吐き出したいと思っているでもいざ書きはじめるとあっと言う間に霧散してしまう凡人の思考とは儚いものおばさんから逃げたいとき自分ではない誰かになりたいとき妄…

誕生日

また一つ歳を重ねました人生の折り返し地点をはるかに過ぎて後半は家族と穏やかに生きたい大きな山とか谷とかいらないから静かにフェイドアウトしたいすっかり守りに入った今日この頃昨日、あのひとの夢を見た会いに行ったけど猛烈に忙しそうだったしばらく…

形を変える恋

いつまでも同じものなんてないいつかは形を変えるすがっていた恋も少しずつ、その形がかわりつつあるようだあのひとのこと考えると胸が痛くなっていたのにこのところは、穏やかに思い出すだけ辛いときや悲しいときに心を癒してくれる存在なのかなわたしだっ…

夜の果てに

あのひとのことを何も知らないただ、妄想の恋にあの人のことを駆り出して安全な心の浮気相手に仕立てているだけ分かっているのに自分がいちばんよくわかっているのにあの人のこと、何もしらないどこへ行くのが好きでどんな音楽を聴いて好きな映画監督は誰で…

コンプレックス

ロマンチックな妄想とは裏腹におばさんが日々直面していることといえば今夜のおかず、何にしようかなとか部屋の掃除しなきゃ、あ、トイレもとか子どもに野菜食べさせなきゃとか自分を構うヒマなし。お風呂で、少しボーッとするくらいがわたしの自由な時間。…

妄想日記

あのひとの研究室は思っていたより広くスッキリと片付いていた。コーヒーでいいですか?手際よくドリッパーにお湯を落とすそんな仕草に見とれるこのひとはいつも礼儀正しくスマートだわたし、来てしまいました。どうしても会いたくなって先生のことばかり考…

綺麗になりたい

化粧なんてどうでもいいと思っていたけれど今夜死んでもいいから綺麗になりたい中島みゆきの唄なれるもんならおばさんも綺麗になりたいすきな人から綺麗だと言われてみたい安物のクリームを塗ってボサボサの髪をといてありもしない夢を見る

寂しいのかな

小雨の中、仕事で少し遠出中。肌寒い朝。仕事も家庭もなんだかギクシャクする日々が続く。この世界の、何が楽しいんだろう。恋をして生き生きした自分を取り戻したいなんてなんと虚しい動機美術館へ行ったり本を読んだりもっとマシに浮上すればいいのにもう…

幸せの形

今週のお題は「お弁当」だそうで。たぶん、いちばん古いお弁当の記憶は母が弟と私に作ってくれた二段重ねのお弁当。近所に住む友達のうちへ遊びに行く時お昼を一緒にと誘われて母が持たせてくれた。そのお弁当は、とても可愛らしくて友達の弟がボクもそっち…

息が止まるほどに

あのひとのことを思うと息が止まりそうになる時があるあのひとのことを好きになりすぎて困る最近のわたしは仕事のトラブルや同僚との確執で明らかに消耗しているつまらないミスうっかりの忘れ物夫には若年性アルツハイマーを疑われる始末現実逃避なんだろう…

居心地の悪い世界

時々、どうしようもなく生きていることに居心地の悪さを感じる消えてしまいたいとこのままいなくなりたいと誰にでもあることふと、そんな闇に捕まりそうになる何がこの気持ちを振り払ってくれるのだろうあのひとがわたしの名前を呼んでそっちに行くなと 引き…

待つ女

先生からのお誘いは全く兆しなし。ガマン、ガマンじっとしていよう熱が冷めるまでこの恋は終わったはず妻子のいる男性はガーベラで懲りたはず会いたい何のあてもなくただ、待つ女妄想に取り憑かれたおばさん

ガーベラの花束

その男には妻子がいて恐妻家とのもっぱらの評判だったそしてわたしの上司でもあったそんな男と長年付き合っていたまだ若かりし頃奥さんの誕生日と結婚記念日には必ず花束をプレゼントするらしい社内では有名な話だったある日、と言ってもその日はたしか彼の…