おばさんの恋

40代になっても恋に憧れるおばさんの妄想

人生で一番怒った日

全身の血が逆流するかと思うくらい

怒ったことがある。


若かりし頃

その男には散々振り回され

おそらく、人生の一番華やかな時間を無駄にした。

6年も。

バカだった、わたし。


都合よく呼び出すし

待たせるし

勝手に人の家に来るくせに

別の人が待つ家に帰っていった。

やっぱり、ズルい男だった。


でもある日、ついに自分のバカさに嫌気がさして

その男に別れを告げた。

その時まで、散々好き放題だった男が

別れたくないとかグダグタぬかし

突然わたしは切れた。


体がブルブル震えて

ものすごい形相だったに違いない。

言葉は出なかった。

でも、言葉以上に怒りが伝わったようで

その後、男とは疎遠になった。


別れた後で

その男が、わたしの先輩にも後輩にも手を出していたと聞いた。

付き合っている頃から

なんとなく分かっていたけどね。


例の怒りとともに吹っ切れたわたしには

超絶どうでもいいことだった。


なんと時間を無駄にしたことか。

心と身体を削って

バカだった、わたし。