おばさんの恋

40代になっても恋に憧れるおばさんの妄想

強がりではない

ストーカーになってしまいそうだから

絶対に行くまいと思っていた。

でも、どうしても確かめたくなって

途中下車した。

この前、地図で見つけた先生の住所。


その家はあっけなく見つかった。

一人暮らしではないことは

家の大きさですぐに分かった。

表札には

先生と、奥様、娘さんたちらしき

家族のお名前が記されていた。


それを見たとき

ホッとして力が抜けた。

ああ、よかった。

来てよかった。

確かめてよかった。


先生が、一人暮らしだったら

どうしようかと思っていた。

これでもう、ドキドキしたり

メールを待ったりしなくて済む。

首のイボに一喜一憂しないし

あと3キロ痩せる努力もしなくていい。

何時間もかけて妄想メールを書くことも

夜、眠れなくなることもない。


それより何より

先生に、幸せそうな家庭があってよかった。


明日からおばさんは

再び恋に憧れて暮らします。

今夜は、ちょっぴりほろ苦い

恋の残骸を拾い集めて

ビールでも飲もう。