おばさんの恋

40代になっても恋に憧れるおばさんの妄想

飲みたい夜

残業ですっかり遅くなった日

明日はやっとお休み


仕事帰りにちょっと飲みたい

だけど、おばさんが立ち寄って

気持ちよく一杯だけ飲めるお店なんて

全然わからないのだった

そりゃ、お店なんて死ぬほどあるけど

おばさんには都会の喧騒が眩しすぎて

一人でドアを開ける勇気がないのだった


あのひとが

一杯だけ付き合ってくれたらいいのにな

来るはずもない返事を

もう待たないと決めたのに

こんな時、つい考えてしまう

弱いおばさん


やっぱり嫌われたんだよ

そうだ、わたし嫌われたの

煩いおばさんだもの

身の程も忘れていい気になって

浮かれた夢を見ていたの


痛いおばさん

鏡の中のわたし

恋もときめきも憧れも

わたしを必要としなくなってしまった