残業ですっかり遅くなった日
明日はやっとお休み
仕事帰りにちょっと飲みたい
だけど、おばさんが立ち寄って
気持ちよく一杯だけ飲めるお店なんて
全然わからないのだった
そりゃ、お店なんて死ぬほどあるけど
おばさんには都会の喧騒が眩しすぎて
一人でドアを開ける勇気がないのだった
あのひとが
一杯だけ付き合ってくれたらいいのにな
来るはずもない返事を
もう待たないと決めたのに
こんな時、つい考えてしまう
弱いおばさん
やっぱり嫌われたんだよ
そうだ、わたし嫌われたの
煩いおばさんだもの
身の程も忘れていい気になって
浮かれた夢を見ていたの
痛いおばさん
鏡の中のわたし
恋もときめきも憧れも
わたしを必要としなくなってしまった