おばさんの恋

40代になっても恋に憧れるおばさんの妄想

春の香り

春の訪れは沈丁花の香りと共にやってくる

曇った空を見上げながら

彼のさいわいを願う


生きるとか死ぬとか

そんな差し迫ったことではなくて

無機質に繰り返される

日々のルーティーンに恋が挟み込まれ

やがて色褪せていく


あの長い歩道橋から月を眺めつづけても

なにかが変わることなんてない

ただ流れに身を任せながら


ガマンしているのは彼も同じだろう

すこし寂しいだけ

きっとそう伝えたいだけ