おばさんの恋

40代になっても恋に憧れるおばさんの妄想

凡庸な恋

電車の広告で見かけた

あなたの人生に題名をつけるとしたら


わたしの人生のタイトルは

凡庸だろう

恋愛も勉強も仕事も

全て凡庸で人並

できる限り目立たないように

斜め下を見て歩く

そんな毎日


それでもいいのに

わたしは十分に幸せなのに


こんなおばさんに返事をしてくれて

わたし、こんなつまらないおばさんなのに

いちいちめんどくさくて

自分勝手な勘違い女なのに

彼はいつも優しかった

泣きたくなるほどに優しかった

もう忘れてください

わたしのことを心配しなくていい


凡庸な人生

高望みせず、身の丈にあった生活

人混みに紛れて

わたしはそっと家に帰る

もう振り返ることもないだろう