電車の広告で見かけた
あなたの人生に題名をつけるとしたら
わたしの人生のタイトルは
凡庸だろう
恋愛も勉強も仕事も
全て凡庸で人並
できる限り目立たないように
斜め下を見て歩く
そんな毎日
それでもいいのに
わたしは十分に幸せなのに
こんなおばさんに返事をしてくれて
わたし、こんなつまらないおばさんなのに
いちいちめんどくさくて
自分勝手な勘違い女なのに
彼はいつも優しかった
泣きたくなるほどに優しかった
もう忘れてください
わたしのことを心配しなくていい
凡庸な人生
高望みせず、身の丈にあった生活
人混みに紛れて
わたしはそっと家に帰る
もう振り返ることもないだろう