おばさんの恋

40代になっても恋に憧れるおばさんの妄想

空っぽなおばさん

なぜ昔のことを調べたりしたの

わたしはもう忘れたいのに

輝いてなんかいない

何も残せていない

わたしは空っぽだった

あの頃も、今でも

身の丈に合わない肩書きをもらって

今以上に何も見えなかったくせに


唯一、許せるのは

辞めどきをわかっていたこと

遅すぎたのかもしれないけれど

少なくともわたしは

あの頃のわたしと決別して

ゼロに戻ったのだ


新しい生活と

新しい仕事

そして新しい命を授かって

幸せを手に入れたはずだった


気がつけば空っぽだった

最初から何も持っていなかったんだよ


次はどこへ逃げようか

地球の裏側へ

誰も、わたしが消えたことすら気づかない