なぜ昔のことを調べたりしたの
わたしはもう忘れたいのに
輝いてなんかいない
何も残せていない
わたしは空っぽだった
あの頃も、今でも
身の丈に合わない肩書きをもらって
今以上に何も見えなかったくせに
唯一、許せるのは
辞めどきをわかっていたこと
遅すぎたのかもしれないけれど
少なくともわたしは
あの頃のわたしと決別して
ゼロに戻ったのだ
新しい生活と
新しい仕事
そして新しい命を授かって
幸せを手に入れたはずだった
気がつけば空っぽだった
最初から何も持っていなかったんだよ
次はどこへ逃げようか
地球の裏側へ
誰も、わたしが消えたことすら気づかない