おばさんの恋

40代になっても恋に憧れるおばさんの妄想

迷走する恋

仕事を辞めてしまいました

もう先生にも

あのひとにも会えない

黙っているのは流石に大人気ないから

さようならと言った

彼はひどく驚いた顔をして

そうですか、残念ですと

大人な挨拶を交わす

わたしと一度だけ、一度だけでいいですから

といえないままに

彼は会釈をして部屋を出ていった

何も、変わらなかったんだね

彼の心は1ミリたりとも

どうして恋がしたかったのか

分からなくなりました

たしかに愛されていることを

誰からの言葉に見つけたかったのか

わたしは空っぽで

あてもなく彷徨っている