仕事を辞めてしまいました
もう先生にも
あのひとにも会えない
黙っているのは流石に大人気ないから
さようならと言った
彼はひどく驚いた顔をして
そうですか、残念ですと
大人な挨拶を交わす
わたしと一度だけ、一度だけでいいですから
といえないままに
彼は会釈をして部屋を出ていった
何も、変わらなかったんだね
彼の心は1ミリたりとも
どうして恋がしたかったのか
分からなくなりました
たしかに愛されていることを
誰からの言葉に見つけたかったのか
わたしは空っぽで
あてもなく彷徨っている