おばさんの恋

40代になっても恋に憧れるおばさんの妄想

ミュージシャンの場合

プリン持ってきたよとわたしは笑う

ハグの続きは甘い口づけ

ミュージシャンはキスが上手だ

その腕の中でとろけてしまいそう

タバコを吸うようになったのは

ポッカリと開いた心の穴をうめるため

まだキラキラと星が瞬く明け方に

あなたを置いて旅立った愛猫には

どんな女も敵わないのね

そんなあなたに愛されて

あの子はほんとうに幸せだったのよ

大好きなあの歌をきかせて

チリチリと焦れるような

胸の疼きすら愛おしい

甘い甘いあなたの声で

恋がどんなに甘酸っぱくてすてきだったか

もう一度思い出していたいの

あなたが燻らすタバコの煙が

二人の間をゆるゆると流れて

部屋中に恋が満ちていく