おばさんの恋

40代になっても恋に憧れるおばさんの妄想

気持ち悪い恋

学生の頃住んでいた町

甘酸っぱくて、痛々しくて

もう戻れない日々が

スクリーンの向こうに広がっていた

 

この通りをわたしは

泣きたい気持ちで何度も歩いた

もう、昔のことだ

忘れていいんだよ

幸せになってよかったんだよ

 

なぜあんなにも苦しかったのかな

苦しい恋ばかり選んだのかな

立っていられなくて

道端にへたり込んだ日を

あの人は覚えているだろうか

 

苦しかった

どうしようもなく

暑い夏だった

床を転げていつまでも泣いた

 

時々思い出すけれど

死んだ蝉のようで

とても気持ち悪い

おばさんになってもなお

わたしは自由になれない