忘年会と称して食事に行った
彼は普段よりもよく喋り
わたしはいつもより聞き役だった
このところダメなことばっかりで
本当にダメなことばっかりで
自分のことを話す気力もない
だから、彼が楽しそうに喋っているのが
今のわたしにはちょうどよかったのかもしれない
ダメな自分を否定しない人といるのは
ただの現実逃避ですか
何の解決にもならないけれど
目の前にいるひとがわたしを好きでいたらいいのに
彼には分からないだろう
そこに恋があると信じたいおばさんの気持ちなんて
ずっと電車に乗ったまま
どこにも到着しなければいいのにと思う
電車を降りてホームを歩くとき
いつも自分が偽物に思えて途方に暮れる
この恋もきっと本物じゃない
寂しいおばさんが生み出した偽物の恋