おばさんの恋

40代になっても恋に憧れるおばさんの妄想

どうでもいいこと

水に挿していたヘデラに根が出た

もらった夏みかんマーマレードを作った

同僚の愚痴に付き合わされた挙句、

なぜかわたしがダメ出しされた


毎日毎日、わたしの頭の中には

どうでもいいニュースが巡っている

それで今日の会議ったらねぇ…

夫は新聞を読みながら軽く受け流している

女とは、めんどくさい生き物だけど

うんうん頷いて入れば気分も晴れる

そんな声が聞こえそう


この記事読んだ?

夫は唐突に尋ねる

読んだらいいよ、君の仕事に関連していそうだから


夫は優しい

そしていつも冷静で

二人の間に大きなクレバスができても

必要であればハシゴをかける


どうでもいいことを

夫でないひとにいちいち報告する

恋するおばさんの痛い言動

わたしったらバカみたい

そんなどうでもいいことに

彼はいちいち付き合ってくれて

この恋が成就しているかのように

おばさんはいい気分になるのだった


恋の賞味期限は短い

すぐに彼もわたしに飽きる

そうしたら、気づかなかったフリをして

何でもない日常に戻るだけのことよ


新聞から目をあげることもなく

夫はおかえりと言うのかな

わたしには

他に行くところなんてない