お茶くらいなら付き合えますよ
と彼が言った
コーヒーを飲んでしばらく喋った
ここしばらくの仕事の話とか
これから目指す方向とか
彼は静かに笑う
話を聞くのが上手ですね
そして気遣いが半端ないと
わたしのことを持ち上げる
彼のことを何も知らないのに
一緒にいると
何かを分かち合っている気になる
わたしは共鳴させるのが得意なのだ
心の隙間に手を入れて
あなたのことを癒したいのだとか
そんなふうに思わせて
一時しのぎのモルヒネを打ってあげる
逃げたいだけなの
誰かを道連れにして
わたしだけ助かるの
最悪の結末を残して