おばさんの恋

40代になっても恋に憧れるおばさんの妄想

モルヒネ

お茶くらいなら付き合えますよ

と彼が言った

コーヒーを飲んでしばらく喋った

ここしばらくの仕事の話とか

これから目指す方向とか


彼は静かに笑う

話を聞くのが上手ですね

そして気遣いが半端ないと

わたしのことを持ち上げる


彼のことを何も知らないのに

一緒にいると

何かを分かち合っている気になる

わたしは共鳴させるのが得意なのだ

心の隙間に手を入れて

あなたのことを癒したいのだとか

そんなふうに思わせて

一時しのぎのモルヒネを打ってあげる


逃げたいだけなの

誰かを道連れにして

わたしだけ助かるの

最悪の結末を残して