庭のバラはもう終わり
お天気の良い日曜に
花がらを掃除した
カラカラに干からびた花びらの残骸
見られたくないのは
わたしのプライドかな
お茶を飲んでたわいもない話をする
3ヶ月に一度くらい
彼とわたしはデートした
そんなささやかな恋は
密だのソーシャルディスタンスだのという
禍々しい言葉にねじ伏せられて
小さな悲鳴さえもあげずに
あっさりと消えた
彼は今、何をしているのだろうとか
ぼんやり考えながら
わたしは監禁された召使さながらに
食事を作り、部屋を片付け
トイレや風呂場の掃除をするのだった
彼はわたしのことなど
思い出しはしない
面倒な女の相手をするよりも
もっと有意義な時間の使い方を
彼はわたしのことなど
考えもしない
役に立たない女の我儘を聞くよりも
静かに本でも読むのだろう
この恋はもう末期だ
枯れたバラの花くらい
カラカラに乾いて
誰かが片付けてくれるのを待っている