おばさんの恋

40代になっても恋に憧れるおばさんの妄想

干からびた恋

庭のバラはもう終わり

お天気の良い日曜に

花がらを掃除した

カラカラに干からびた花びらの残骸

見られたくないのは

わたしのプライドかな

 

お茶を飲んでたわいもない話をする

3ヶ月に一度くらい

彼とわたしはデートした

そんなささやかな恋は

密だのソーシャルディスタンスだのという

禍々しい言葉にねじ伏せられて

小さな悲鳴さえもあげずに

あっさりと消えた

 

彼は今、何をしているのだろうとか

ぼんやり考えながら

わたしは監禁された召使さながらに

食事を作り、部屋を片付け

トイレや風呂場の掃除をするのだった

 

 

彼はわたしのことなど

思い出しはしない

面倒な女の相手をするよりも

もっと有意義な時間の使い方を

彼はわたしのことなど

考えもしない

役に立たない女の我儘を聞くよりも

静かに本でも読むのだろう

 

この恋はもう末期だ

枯れたバラの花くらい

カラカラに乾いて

誰かが片付けてくれるのを待っている