あのひとは吟遊詩人
今、この世界に実在する
とても不思議なひと。
お酒と歌と楽器と自由を愛し、
そして、すぐに恋に落ちるひと。
なんだか似た者同士。
二人で食事に行った。
隣に座った。
終電を気にしながら、いつまでも喋っていたかった。
なんだか、舞い上がっていたな、わたし。
「もし君が結婚してなかったら…」
と彼は言った。
口説かれたら、すぐに落ちるだろうと思った。
彼となら、しばらくは楽しく過ごせそう。
だけど
自由なひとを縛ってはおけない。
わたしを置いて
ふらりとどこかへ行ってしまう
そんな予感。
いつかどこかで出会って
本当に口説かれたら
なんて、また妄想なおばさん