おばさんの恋

40代になっても恋に憧れるおばさんの妄想

吟遊詩人

あのひとは吟遊詩人

今、この世界に実在する

とても不思議なひと。

お酒と歌と楽器と自由を愛し、

そして、すぐに恋に落ちるひと。

なんだか似た者同士。


二人で食事に行った。

隣に座った。

終電を気にしながら、いつまでも喋っていたかった。

なんだか、舞い上がっていたな、わたし。


「もし君が結婚してなかったら…」

と彼は言った。

口説かれたら、すぐに落ちるだろうと思った。


彼となら、しばらくは楽しく過ごせそう。

だけど

自由なひとを縛ってはおけない。

わたしを置いて

ふらりとどこかへ行ってしまう

そんな予感。


いつかどこかで出会って

本当に口説かれたら

なんて、また妄想なおばさん