2020-08-30 夢の中の恋 たわいもない夢だけど 珍しく彼がいた わたしたちは高いビルのレストランから きらきらと輝く地上の光を見ていた あのビルのところまで歩くんですと わたしは駅を指差した 彼は私の頬に手を当てて それからそっとわたしの唇にキスをした 思っていたよりずっと 彼はキスが上手だった いつのまにか彼の車に乗って そのまま奈落の底へ落ちるほどに 急な坂を下っていた 暗い夢。虚しい夢。 彼と手をとって歩いても 待っているのは地獄。 ただの夢なのに ざらっとした不安