おばさんの恋

40代になっても恋に憧れるおばさんの妄想

夢の中の恋

たわいもない夢だけど

珍しく彼がいた

わたしたちは高いビルのレストランから

きらきらと輝く地上の光を見ていた

あのビルのところまで歩くんですと

わたしは駅を指差した

彼は私の頬に手を当てて

それからそっとわたしの唇にキスをした

思っていたよりずっと

彼はキスが上手だった

いつのまにか彼の車に乗って

そのまま奈落の底へ落ちるほどに

急な坂を下っていた

暗い夢。虚しい夢。

彼と手をとって歩いても

待っているのは地獄。

ただの夢なのに

ざらっとした不安