おばさんの恋

40代になっても恋に憧れるおばさんの妄想

2019-01-01から1年間の記事一覧

心配

仕方ないことなんですよ、と彼は言った順番ですから、仕方ないんですすべてを受け入れて感情に流されず生きる一人で背負うには重すぎるだろうに何の力にもなれないけれどおせっかいなおばさんは彼を心配しているなんだか心がざわつく日彼と彼のご家族が無事…

無関心

夫はわたしのメールやメッセージにほぼ返信しない開封すらしてもらえないこともあるメールだけじゃない話しかけても面倒くさそうな返事聞き返すと怒られるいつからかしらきっともう興味がないんだな大好きだったこの人とずっと幸せに暮らせると思ってたわた…

依存

彼がいなければ何もできない都合よく呼び出しておんぶに抱っこ彼は快く引き受けてくれるわたしのSOSをスルーしたりしない優しいからですか痛々しいからですかおばさんは大切にされて嬉しいんだ特別扱いされることなんてないから喜んでしまうんだなんて安っぽ…

モルヒネ

お茶くらいなら付き合えますよと彼が言ったコーヒーを飲んでしばらく喋ったここしばらくの仕事の話とかこれから目指す方向とか彼は静かに笑う話を聞くのが上手ですねそして気遣いが半端ないとわたしのことを持ち上げる彼のことを何も知らないのに一緒にいる…

更年期

きっとわたしは更年期だわけもなく悲しくなったり突然むなしさに襲われたり昔のことを思い出して凹んだりする昔からそうだった大人になって、自分を守るために繊細なわたしはどこかへ押し込められて厚顔無恥なおばさんになったその方がいい歳を重ねたんだも…

花柄のワンピース

夫は花柄のワンピースが嫌いフェミニンなスタイルが嫌い花柄でも、細かい花が散っているやつとか小さな水玉模様も嫌い丈が短めのフワッとしたワンピースも嫌い女性らしさを強調するような甘めのファッションとは縁遠いわたしだからわたしと結婚したのかなそ…

腐女子の終着駅

わたしの鞄は重いなぜこんなに物が入っているのと同僚は笑うのだけれどなぜか減らせない当然、鞄の中はぐちゃぐちゃだおそらくわたしはこんな鞄みたいな人生を送っている不要なものをたくさん抱えて整理もできないままにそして不機嫌な顔で電車に乗り書類が…

流れゆく

庭で大きくなったディルが黄色い花火のような花を咲かせているオリーブもモッコウバラも夫が植えてくれた絵に描いたような幸せをわたしに与えてくれたひと幸せすぎて怖い何もかもが満たされすぎていつか失う日が来るのが怖いだからわたしは自ら壊すようなこ…

5月の憂鬱

ゴールデンウィークも過ぎて夏がそこまで来ているのに気分はいつまでも低空飛行恋なんかいらないキレイになろうなんて思わないおばさんらしく控えめなメイクで安い服を着て後ろの方に並ぶわたし、それでいいのもうステージに上がったりしないし歌ったり踊っ…

かまってほしいおばさん

なんと面倒くさいことかかまって欲しいおばさんメールに返信するとかおはようございますと挨拶を返すとか細かいことを気にする割には表面的なことで満たされるくせにただ、応えて欲しかっただけわたしの声にわたしの言葉にちゃんと聞いているよと反応を感じ…

戻れる戻れない

もしどうしても辛いのならメンタルを病んでしまうくらいなら仕事を辞めたっていいし逃げ出してもいいあなたには大切な家族があるし自分を大切にしなければ彼らを傷つけることになるだから今を、自分を大切に丁寧に生きていかなければ恋とかときめきとか何を…

不健全な恋

仕事ではなく完全なるプライベートで彼に会うことなんてない今までも、これからも彼だって望んでいないんだ不健全な関係口さがない人たちからあれこれ噂のタネにされても構わないけれど事実としてなにもないから残念でした何を見ても何を食べても彼と一緒な…

遠ざかる恋

メールのやり取りがここしばらく希薄になった彼はセーブしているのだろうおばさんが調子に乗っているから普通にすればいいのに勝手に盛り上がっているからクールダウンこの恋の先には何もない彼のさいわいを願うなら遠ざかる恋を追いかけたりしないで彼はつ…

無駄な怒りと我慢

くだらないことだどうせ大したことではないいちいち気にしないで愉快に過ごしましょうよ考えないでいればいい考えすぎる自分を受け入れるなんてどうせあなたにはできないでしょもうひとりのわたしが笑う無駄な怒りも我慢も不要だ恵まれすぎているのよだから…

男というものは

なぜいつもそんな風に上から目線なのだろうわたしの言葉など意に介さず間違っているのはお前だと言わんばかりによくあることだそんなの、普通にあることだいちいち気にしていたら心がもたない彼なら、そんな言い方しないのにふと考えて、いやいやと打ち消す…

ただの夢に過ぎない

雨が降って遅刻しそうになった朝夫が駅まで送ってくれた小さな幸せ夫に嘘をついてほかの男に会いに行く夢を見た相手が誰だったのかさえ思い出せないけど夢の中のわたしはとてもヘタな嘘をつき軽はずみな行動を悔いていた夢でよかった夫はブツブツ文句を言い…

破滅的な恋

かつて自分が苦しめられたのと同じ状況を作り出している男は家に帰っていったほんの短い逢瀬が男との全てで何もかもが嘘っぽかった今度はわたしが加害者わたしの方から誘惑して彼の心をざわつかせているいや、違うのかあの頃もわたしが男をたぶらかして陥し…

面倒くさい恋

ビジネス上の付き合いしかないのに彼女ヅラしてメール送ってくる女わたしのことだなと凹む妙に馴れ馴れしくて調子に乗ってるんだ立場もわきまえないで嫌われるのは時間の問題追いかけないで綺麗な思い出で終わらせましょう彼はもう面倒くさいおばさんに疲れ…

桜が散ったら

もうこの恋はおしまい交わるほどに接近したラインは再びそれぞれの軌道に戻る別の形で繋がって次のステージで会いましょうはるか昔から何度も出会っているのだろうからそう考えると恋が終わっても寂しくないですね

心配される幸せ

咳が止まらない日が続き彼はひどく心配してくれた誰かが気にかけてくれることなんてもうあまりなくなった今日この頃ちゃんと休んでくださいと彼は言い続けているその言葉にわたしは満足するのだったいつ死んでもいいのと言ったら彼は怒るだろうか彼が、わた…

春の香り

春の訪れは沈丁花の香りと共にやってくる曇った空を見上げながら彼のさいわいを願う生きるとか死ぬとかそんな差し迫ったことではなくて無機質に繰り返される日々のルーティーンに恋が挟み込まれやがて色褪せていくあの長い歩道橋から月を眺めつづけてもなに…

デジタルな恋

一昔前とは違って今は何から何までデジタル写真も交わした言葉すらも削除してしまえば残らない彼の作り上げたシステムも血の通わないデジタルの産物引き際が肝心ですと彼は言ったわたしに言っているのだろうひとの心も0か1かで割り切れたらいいのにデジタル…

週末の恋

週末は何をしているのかな不定休のわたしは仕事でしたお休みの日にどうでもいい連絡はもうやめます彼を振り回してはいけない映画の話とか好きな音楽の話とか恋をしていた頃のわたしを思い出して小っ恥ずかしさにひとり赤面するおばさんはおめでたいなずっと…

都会の月

お彼岸の月とビルに挟まれた夜。いつまででも外にいられそうな生暖かい春の香りわたしが望むこと彼の喜ぶ顔を見たいただそれだけだと気づいたストレスから来る現実逃避だとしても好きな人には笑っていてほしいから

いつもと違う景色

彼の通勤電車に乗った人混みに紛れて満員電車に揺られて彼はどこまで行くのだろうとの駅で降りてどのスーパーに寄るのだろう知らないことばかりだ知らない景色ばかりだ彼が見ている景色をわたしも見てみたかった近くまで来ました彼はどんな顔をするだろうや…

彼とわたしのリアル

接待の会食でしこたま飲んでフラフラ気持ちよくウチヘ帰るわたしが1人ならわたしが自由なら飲み会の後は彼に電話して酔ったふりで猛攻をかけるのでしょういつまでそんなことやってるんだ彼はもう十分に大人だし飲んだくれた女の面倒なんて見ないアホだなわた…

抜けない棘

何かがひっかかっている何だかもすぐに思い出せないほどどうでもいい日常のさざ波部下に言ってしまった余計な一言とか同僚からのダメ出しとかつまらない仕事のミスとかほんのささいな出来事が抜けない棘みたいに違和感として残っているなんだろう、このざら…

心配ごと

バスをおりて、胃のあたりのムカつきを我慢できずアスファルトに吐いた妊娠の二文字が頭をよぎるなんて、わたしにはもうないんだもうひとり、赤ん坊を抱いてみたかった彼の子どもを産んであげることもない心配ごとがないんだわたしにはもう週末は淡々と過ぎ…

恋愛の弊害

妄想の恋なのに思考の70%くらいが彼のことになって明らかにパフォーマンスが落ちている女はダメなのだ恋に落ちると勉強ができなくなる昔、高校の先生に言われたっけ自制ヲ求メマスどうでもいいラインとか私が送りつけなければ彼からの連絡はないだろう寂しい…

どうでもいいこと

水に挿していたヘデラに根が出たもらった夏みかんでマーマレードを作った同僚の愚痴に付き合わされた挙句、なぜかわたしがダメ出しされた毎日毎日、わたしの頭の中にはどうでもいいニュースが巡っているそれで今日の会議ったらねぇ…夫は新聞を読みながら軽く…